まかぷです。シアタークリエの「モダン・ミリー」を拝見しました。
やー、お話を全く知らずに観たのですが、たくさん笑いました。廣瀬さんのお役のぶっ飛び具合にびっくりしてしまいました(笑)最高でした(笑)
朝夏さん&実咲さんの元宙組トップスターコンビの並びも感慨深かったです。
1920年代のNYのお話で、先日見た向かいの劇場(宝塚)の「グレート・ギャツビー」と同じ時代。
日比谷のあの一帯が1920年代のアメリカになっているなんて、その巡り合わせが素敵だなと思いました。(宝塚と東宝が合わせたのかな?)
一部、この演出・脚本は大丈夫かな?と思う場面もあったけれど、もう一度観たいほど楽しかったです。
ストーリー
原作は1967年のミュージカル映画で、その後ブロードウェイで上演されトニー賞を受賞した作品とのことでした。
簡単なあらすじ
田舎からNYに出てきたミリー(朝夏まなとさん)は、NYでお金持ちの社長を見つけて結婚しようと画策。モットーは「ロマンスより理性!(玉の輿)」。
ミリーは就職先の社長のグレイドン(廣瀬友裕さん)にアピールしていたものの、グレイドンはドロシー(実咲凜音さん)に一目惚れ。
一方、ミリーは理性ではグレイドンだけれど、心は庶民のジミー(中河内雅貴さん)に惹かれており、ロマンスと理性の間で葛藤。
結局ミリーは心に素直になって、ジミーを選んだところ…実はジミーの正体は大金持ちだった(大スターのマジーの息子で取締役(?))とゆうオチでした。最高だな。
ジミーとドロシーの間柄を疑う場面もあったものの、実はドロシーはジミーの妹。またドロシーはグレイドンではなく自分を助けてくれた香港人のチン・ホー(小野健斗さん)を選び、みんなハッピー!
とゆうTHE コメディーミュージカルな展開でした。
途中、展開が軽快で台詞も早くて、訳がわからない瞬間もあったのですが、大筋がわかりやすくて楽しかったです。
タイプライター×タップがすてき-
ミリーがタイプライターのためオフィスのシーンが多かったのですが、タイプライターのタイプの音を皆さんがタップで表現していました。耳心地が良くて、かわいい演出!
エレベーターがタップを踏まないと動かないのもミュージカル映画ならではの見どころ。
どの出演者さんもダンスもタップも素敵で、目が足りなかったです。
少し気になったのは…
ミセス・ミアーズのカタコトと香港人兄弟の設定。
私が香港人として見たら少し不快かも?と思う演出・脚本だったかな。(あれが現実を表していてあえての残酷なのかもしれないけれど)
香港人の兄弟が、母親の渡米と引き換えにミアーズに悪事を働かされている設定だったり、英語もままならないことを罵られていたり。
ミアーズの中国風のカタコトも笑いのネタのようになっていました。
ひどい扱いなので、逆に最後はこの兄弟が幸せ(勝者)になることを予想できましたが、少しソワソワする脚本でした。
原作が1960年作品とゆうのもあるし、人身売買のことが筋にあるので難しいけれど、もう少し時代に合わせた配慮があっても良いかと思いました。
少し調べたところ、本場ブロードウェイでは人種差別の話題があったらしく(ミアーズを白人が演じて中国訛りになるらしい)。ただ逆に「中国人がヒーローになるから人種差別的固定概念を打破することができる」との見解があるようでした(演じた役者の方の発言?)。2020年に配慮された改訂版が作られたもののコロナで上演中止になったようです(この辺りは、英語版Wikipediaで読んだのでちゃんと理解できていないかも…!!!英語できないの辛い!)。
アジアで演るからには、そこらへんは何かしら考えられた上での演出なのかな(プログラムを買わなかったので何か書いてあるのかしら…)。
自分も理解が浅いながら…、アジア人だからか少し気になりました。
それ以外は、軽快なやりとりが終始面白くて、特に舞台の後半の盛り上がり(グレイドンの暴走)が楽しかったです。
舞台ならではで笑ったのは、ミリーとジミーが近づいて口論をしていたと思ったら突然キスをする場面。
そのありがちな展開に、客席の少年が「ドユコト?!…え、ドユコト!?」と大きな声で反応していて、面白かったです(笑)
ソユコトなんだよ、少年。
ドユコト。
役者さん-廣瀬さんが!-
ミリー:朝夏まなとさん
さすがのタップ!そして歌声の個性が健在で素敵でした。
そして手足が長い!
グレイドンとドロシーの一目惚れのナンバーでは、
ミリーが座ったまま間に挟まれているのですが、朝夏さんの長い足がヘンテコにうねっていて、その投げやりな感じが場面にぴったりでツボりました。
また、朝夏さんがバーン!と歌うと劇場が小さく感じるあたりが、さすが元トップスターさんでした。
ジミー:中河内雅貴さん
初めてきちんと拝見した気がする。
奥様は蒼乃夕妃さん(元月組娘役トップスターさん)。
歌よりもダンスに魅力を感じて、ちょっとしたキレが素敵でした。醸し出される雰囲気が昔の映画風で、モダン・ミリーの世界に入り込めました。
NYの洗礼された雰囲気もあり、私ならなんの迷いもなくジミーに行ってしまう。
ドロシー:実咲凜音さん
見るまではおバカっぽいお役かと思ったのですが、所作が美しくて、金持ちで頭が良さそうな感じが溢れ出ていました(笑)
高音の領域がすごいことになっていたので、あれを歌えて、踊れてタップもできてって…もう実咲さんぐらいしかできないのかも。
グレイドン:廣瀬友裕さん
すごい!!
いくつかの舞台で拝見していて、いつも「うまいな。かっこいいな。かっこいいな。」と思っていました。正統派なかっこいい雰囲気の方なので。
が、こんなに面白いお役も出来ちゃうの?!で、大感動でした!
1幕の最初の登場は、お歌もうまくて(さらにお上手になられた?)、スタイルの良さとオーラがあってキラキラ!
ただ幕間では、廣瀬さんはあんなちょい役なのか?彼は大物役者ではないのか?と思っていたところ…
2幕がすごかった。(笑)
ドロシーに一目惚れをしたところから狂ってました。なんと素敵な、1幕とのギャップ!
妙なセリフの間にはつい笑ってしまうし、歌が上手いことすらトンチンカンに感じて、客席もドカドカ笑っていました。
いやー普通にかっこいいと思っていた廣瀬さんが、あんな面白い人になれちゃうなんて…鬼に金棒!(言葉のチョイスが古い)
ラストも端っこにいる廣瀬さんの小さな動きにさえ客席が沸いていたので、全てを掻っ攫っていました。素敵でした。笑
コメディーができる俳優さん好きです。
マジー:保坂知寿さん
保坂さんが歌う場面だけ、ライブに来ている感覚になるほどのスターのオーラ(「歌がうまい」なんて表現をしたら失礼かもとすら思う)。
自分の知識がなくお恥ずかしいですが、元々劇団四季のスゴい方のようで、、、
お茶目な場面も可愛かったです。
ミセス・ミアーズ:一路真輝さん
歌い上げの貫禄が!
子供が泣くのではないかと思うほどの悪役な悪い雰囲気と、場を持っていく力にびっくり。
さすがすぎました。
面白くて悪者なはずなのに、存在感とオーラがかっこ良いと感じてしまいました。一路さんの面白いお役も初めてで新鮮で楽しかったです。
また宝塚ファンとしては、大月さゆさんの動きが可憐でお上品で好きでした。変なお顔をしても可愛いの。
生の舞台だからこそ楽しめる会場の笑い声や舞台上のやりとりの空気が素晴らしかったです!
あー楽しい舞台だった。
観させていただけてよかった〜♡♡
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