少し前に雪組の「蒼穹の昴」を拝見しました!
壮大!その時代の世界を俯瞰して見ている気持ちになるとゆうか。壮大な世界に涙がツー!!
能天気に楽しめる作品ではないけれど、素敵な作品でした。
原作と違う部分も多々ありつつ、メッセージがそのままであったことが良かったです!
トップコンビの関係もアレンジされていました。よかった・・・
コメディー続きだった雪組にやっと真面目な大作がきたことも嬉しくて(笑)、彩風さんにはこうゆう作品の方がしっくりきました。
プログラムやらお衣装、音楽、京劇・・・劇団がこの作品に力を入れている感じも伝わってきてゾクゾクしました。
何回か観るので、まずは初見からの感想をメモ。
お話ー感動ポイントは原作と同じー
お話は、あるお告げを受けた2人が、その運命に導かれて激動の中国に飲み込まれていくお話です。(雑)
原作をサ〜っと予習してから観ました!
文庫の1・2巻は面白くて超絶スピードで読んで、3・4巻は難しくてスピードダウンしました(笑)政治関連が難しい!
原作を読んでいない方にはん?!と感じるところがあると思うし、もっと説明してほしい部分やカットされて残念な部分もあったけれど、舞台の中でわかりやすく完結していました。
細かいところがズバッと切り捨てられていてよかったです。
(原作は、西太后と栄禄が元恋人だったり、外国人の宣教師が出てきたり・・・)
原作通りに、白太太のお告げからストーリーが始まるのは、気持ちが昂りました!!
また、舞台全体は紫禁城の一部に大階段が使われていたりと、大迫力でした!!
街並みの変化なども工夫されていて、エンターテイメントとしても面白かったです。
またお衣装が素晴らしく美しかった。
細々とした刺繍が全てのお衣装にされていて…布自体も美しい光沢でした。お衣装を見るだけでも価値があると思う。
これは絶対に「宝塚の殿堂」に行きたい。
浅田先生が寛大
原作と主人公が変わるのでカットと変更が多々ありました。
著者の浅田先生の寛大さに驚きました(笑)
原作は「昴の星がついている」と予言されるのは主人公の春児(朝美絢さん)だけのところが(確か・・・)、文秀(彩風咲奈さん)も「昴の星」がついている人になっていました。
ちゃんと文秀が主人公。
カットされていて残念だったのは、春児周りのお話。
原作では、春児がひた向きに努力し続けている様子が詳細に描かれているのですが、そこら辺がほぼカットでした。
それでも朝美絢さんが春児がそうゆう人物だとわかるような役作りをされているのがすごいと思いました。(今回の朝美さんは本当にすごい)
原田先生のお話によると「舞台化するにあたっての、浅田先生からのオーダーは2つで『西太后を悪人としないこと』『京劇を入れること』だった」とのことでした。(歌劇の座談会より)
寛大!!
この時代に関する他の書物も読みましたが、西太后の書かれっぷりは違った(悪人だった)ので、西太后の人間らしさは浅田先生のこだわりなんだな〜
そして、原作の文秀と玲玲の関係はアレンジされていてよかったです!
原作は、最後の方で、憔悴した文秀が玲玲を殴ったりするので心配していましたが、きちんと宝塚仕様になっていました。(原作の続編では、2人は結ばれる)
個人的には、原作では王逸(一禾あおさん)のお話が不思議でファンタジックで鳥肌が立つほど感動したので、カットで残念でした。
王逸は、登場からかっこよくて好きだったのだ〜!!
不思議だったのは、名前の呼び方が原作の中国読みと日本語読みが混在するところ!どんな意図があるのだろう。
1人に呼び名が複数あるのは原作から難しくて、突然舞台を見た方は名前がわかりにくいだろうなと思いました。
西太后(セイタイゴウ)=慈禧(ツーシー)=老仏爺(ラオフオイエ)
光緒帝(コウショテイ)=載湉(ツァイテン)=万歳爺(ワンソイイエ)
原作を読んでないとわからないわけではないので、舞台を観てから原作を読むのも楽しそうだな、と思いました。
「運命は自分で変えられる」
このテーマが全く変わらなかったところが何よりも素敵だった!当たり前か(笑)
原田先生も、このメッセージが宝塚に入団するきっかけであった、とのことでした。
お話の後半で、実は春児へのお告げは嘘だった(本当は死ぬ運命だった)とわかるのですが、春児が自力で運命を変えたことに鳥肌がゾワゾワでした。
この鳥肌が舞台でも変わらずに体験できたことが、素敵でした。
このメッセージが強く届くかどうかは、やはり春児(原作の主人公)にかかっていて、朝美さんの熱演が本当にすごいと思いました。
また、プログラムの浅田次郎さんの言葉が素敵で…観劇後に読むと、さらに刺さって泣けました。
「人間の力で覆せぬ運命など、あってはならないと思うからである」
素敵。
この舞台を見ると「人生とは・・・」みたいな大きな気持ちになれる(笑)
じわじわと活力の湧いてくる作品でした。
宝塚的な感想としては
お話が専科のお役を中心に動くので、専科の方が大活躍!宝塚(雪組)的なスターを見て楽しいとゆうより「大作」を楽しんでいる感じかな。専科陣の力をかなり堪能できる。
想像通り娘役の出番が少なめで、違う意味で少し泣ける…(笑)
2番手の夢白さんですら、ほぼ出てこないのは残念です。(ミセス・チャンも相当カットだった!)
また、組み替えで雪組に加わった咲城けいさんはお役として浮いているので、少しかわいそうな気がしました。
切り抜かれてた場面にしか出てこないので…雪組生と交流できているのかしら。新人公演があるから大丈夫かっ!
スターさん
文秀(ウェンシウ):彩風咲奈さん
こうゆうお役が観たかった!!
オーバーに創られるかなと思ったけれど、文秀の優しさと大きさが自然体で…素敵だった…
壮大な世界観に全く負けないとゆうか壮大な世界観を作り出しているくらいの包容力でした。
ご本人も「悩んでしまったけれどそれが文秀」とお話しされていて、お話のメインではないし難しそうなお役所だけれど、文秀の包容力と秀逸さがピッタリで素敵でした。
代表作だろなー
春児(チュンル):朝美絢さん
すごい!
スチールの時点で期待大でしたが、春児がそこにいた。
春児の人間性を表す場面はほぼカットにも関わらず、金のためではなく、ひた向きに努力する人間性や純粋さが伝わってきました。
朝美さんご自身もコツコツと努力して2番手まで来たイメージがあるし(もちろん美しさや実力あってこそ)、舞台もいつも全身全霊をかけてる印象(「抜く」とかない)があるので、お役にピッッッッタリでした。
白太太に「野を駆け回る」と表現されるときも、春児は舞台上にいないのに、その様子が目に浮かぶようで泣けてしまいました…(あれは白太太の京三沙さんもすごい)
「男役」の経験ではなかなか対処できなさそうな「宦官のお役」であるのに、素晴らしかったです。
最後の文秀を止める場面は、朝美さんの熱演があるからこそ文秀のナンバーに向けて気持ちがガーッと上がります。
朝美さんの代表作にもなると思いました!
玲玲(リンリン):朝月希和さん
朝月さんが銀橋に出てきた時、可愛さに泣いてしまいました(笑)
見窄らしい姿にも関わらず、声に透明感があって目から星が落ちそうなほどキラキラしていて・・・圧倒されました。1番ドキドキした!輝きにときめいた!
退団者のオーラなのかな…可愛かった〜…
家庭的で温かな雰囲気があって、井戸で水を汲んでるお衣装がとっっても可愛い。
順桂(シュンコイ):和希そらさん
原作は、メガネをかけた堅物なイメージでしたが、和希さんが演ると何故かめちゃくちゃかっこいい。
爆発事件を起こす前のゆったりとしたお歌が、和希さんのワールドに入り込めて最高です。
内に何かを秘めている感が素敵でした。
またフィナーレのセリ上がりで、最後に和希さんの爆速ダンスが0.5秒あるのが大変ツボです。
光緒帝(コウショテイ):縣千さん
こんなに動かない縣さんを観たのは、久しぶりというか初めてかもしれない(笑)
西太后に実権を握られているときはエリザベートのフランツのようで、康有為に幕仕立て上げられているときはルドルフのようで・・・翻弄されている姿が不憫で苦しかったです。
最後に文秀に頼るところも、儚げでした。
光緒帝周りもカットが多くて少し残念でした。
本当は、鳥籠にいる鳥レベルに不自由で、西太后に隆裕(野々花さん)との結婚も勝手に決められてしまった、という背景があるのに、あまり舞台ではわからなかったかな。(光緒帝のお顔を見ると想像はできるけれど)
フィナーレ
フィナーレは最高にかっこいいものの本編の重厚感を引きずっているので、あまり動かない…シクシク…(最っ高にかっこいいのですが、もっっっっと心臓を苦しめてくれてもいいです笑)
デュエットダンスは、リフトが毎回ドキドキでしたが、彩風さんの回すぞ!という気合いが感じられて、素敵でした。(今は振りが変わったみたい)
上げたらキリがないけれど専科・上級生陣や、安徳海(天月翼さん)、譚嗣同(諏訪さきさん)、黒牡丹(眞ノ宮るいさん)、王逸(一禾さん)などなども、大変素敵でした。
細かいことはまた書きたいと思います♡
次の観劇が楽しみだ〜!
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