【感想】「next to nomal」ー舞台ならではー

観劇の感想
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まかぷです。シアタークリエの「next to nomal」を拝見しました!

望海さんチーム。

望海さんがお目当てでしたが、舞台もトニー賞などを受賞している衝撃作とのことで楽しみにしていました。

ドキュメンタリー映画を見ているようで、でも素晴らしく「ミュージカル」で。舞台ならでは、で。楽しかったです。

1回しか観ていないので語るにはおこがましいですが、感じたままをメモメモ。

 

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お話ーヘビーなテーマ×ロックー

双極性障害の母ダイアナが主役で、その母と家族のお話

この世界が舞台になるのが、The アメリカ〜!!!

なんというか…「現代」のミュージカル(語彙力)。


精神治療の場面も多いため、プログラムには薬や精神療法の解説がズラーと並んでいる。そこも普通ではない(笑)

精神治療が比較的身近にある本場のブロードウェイでは薬の名前だけでも笑いが起きるのだとか

そう。観劇中に、この作品を本場と同じ土壌(レベル)では楽しめていないかも、とは思いました。

日本では(少なくとも私には)、精神治療やセラピーがアメリカほどは日常的にあるものではないし。

ただ作品の面白さとは別に、文化のズレに「ブロードウェイ」のミュージカルを観ている楽しさも感じました。 

演出の上田一豪さんは、身近に双極性障害の方もいたようで、より理解ある中で演出されていたのではないかな。
 

双極性障害と向き合うことの大変さを、言葉ではなく少しでも感じることができたのは舞台ならではの醍醐味かもしれません。

1幕の冒頭が衝撃的

(以下、激しくネタバレです)

舞台は、ごく普通の父母兄妹の4人家族の日常から始まるのに、

途中で実は兄は母にしか見えてなかったことが判明します(兄は母の幻想)


遊びにきたヘンリーが、兄が横にいるのに「え、お兄さんがいるの?!」と発言した時の驚き

映画の「シックスセンス」のような衝撃。


兄ゲイブは1歳(だったかな?)で病死していました。母の心の中だけで育てられたゲイブ。

悪循環からの…


母ダイアナは、兄ゲイブが死んだことを受け入れない。

父ダンは、ゲイブが生まれたことから無かったことにしようとする。

それぞれに「普通の家族」であろうするのだけど、お互いに悪く作用している感じ。

娘ナタリーは、普通ではない家族の状況に長年苦しんでいる様子。

ぐちゃぐちゃ。誰も悪くないのに最悪な状況で先が見えない。

観客は、ダイアナと同じ目線が多いので、ゲイブが見えるし精神科医がロックスターになってしまったりして。

観ていて苦しかった〜

 

ロックな曲調や素敵な楽曲、途中のコミカルなノリに救われました

ヘビーなテーマ×ロックテイストなのが面白い。

 

最後には家族で痛みに向き合ってスッと全てが解けていくのが心地よかったです。

ノーマルなハッピーエンドではないけれど、それぞれが普通ではないことを受け入れて歩み出す

最後には希望を感じるお話でした。


素敵だったのは、ナタリーが家族から逃げたいと感じているのに、最後はしっかりと家族を救いに行くところ

ダイアナとナタリーが歩み寄って「普通じゃなくても良いよね(next to nomal)」となる場面がとても好き。(捉え方が違うかもしれないけれど)


個人的には、ヘンリーのナタリーへの無償の愛が、悪循環を好循環にしたようにも感じました。

キャストさん

誰を主役と思って見るかで感じ方が変わりそうですが…

母ダイアナ 望海風斗さん

混乱した世界に巻き込まれました。

望海さんのあっけらかんとした素敵な明るさと、今まで重たい作品を多数やってきた迫力が、ごちゃごちゃに出てくる感じが流石でした。

彼女が壊れてしまったのは、息子が亡くなったショックだけでなく、ダンと結ばれることになった原因(息子)がなくなったことも大きいかな、など思いを巡らせました。


望海さんの歌い方が繊細で新鮮で。どんな歌い方でもお歌がうまいんだ…という驚き。

お歌によって言葉以上の感情も伝わってくるというか。

女優の望海さんもやはり魅力的。

ちなみに外見が美しくて、あんな大きな子供がいる母には見えなかったです(笑)


息子ゲイブ 甲斐翔真さん

こんなに歌える方だとは!

もちろんお名前は存じ上げておりましたが、イケメンなのでアイドル枠というか…歌える方という認識がなかった。。。申し訳ございませんでした。

天はイケメンに美声も与えるんだな…ロックな歌い上げが強くてビリビリくる。


お歌だけではなく、

ダイアナが快方に向かう(つまりゲイブが消える)時の、悲しげな表情。

ダイアナに見えている時の嬉しそうな顔。

全部がダイアナが作り出しているゲイブなのだろうけど、ゲイブを切り捨てる難しさが痛いほどわかるというか。

あんなかっこいい息子が脳内で育ってしまうヤバさも感じました(笑)

気になる俳優さんになりました。


父ダン 渡辺大輔さん

ダイアナには悪く作用しているのですが、決してダンが悪くは見えなかったのがすごかったなぁ。

でもそう思うだけに、見ていてしんどかった…

ダンは精神科医にお世話になってしまうのだろうか。ナタリーが支えてくれますように。

娘ナタリー 屋比久知奈さん

歌い上げは流石で、混乱しているのが伝わってきて、苦しかった〜…

ナタリーも精神的に危なそうだったけど、ヘンリーがうまく作用してくれたらいいな。

ナタリーの恋人ヘンリー 大久保祥太郎さん

暖かさに救われました。

なんでナタリーを好きなるの?と思わずに見れたのは、大久保さんの真っ直ぐさ、なのかな。

 

ドクター・マッデンドクター・ファイン 藤田玲さん

ロックの迫力に、オペラグラスが吹っ飛んでいくところでした。

コミカルさに救われるものの、「絶対に治せる」という思い込みに恐ろしさも感じました。


たったの6人のキャストでこんなにも衝撃を与えられるってすごいなぁ。豪華キャスト。

歌の重なりも素敵でした。(裏ではコーラスもやっているみたい) 

ところどころ「一緒に歌われちゃうと、1人の言葉しか聞き取れないので、別々に言ってください!」とも思ったけど(笑)脳内処理が追いつかない。


1回では理解し尽くせない、というか見るたびに感じることが変わりそうで、再演があったらまた観てみたいな。(安蘭さんチームも気になる…)

はい、てなことで、

「家族とは」とか「愛」などを考える作品で、良い作品を拝見することができてよかったです。

題名が「not nomal」ではなく「next to nomal」なのも素敵。

みんな「普通」とは少しずれたnext to nomalなところで生きているのかもしれない。そう思うと心が軽くなりました。

ではまた✏︎


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