MACAPUです。帝劇の「笑う男」を拝見しました!
初演は観ていなかったので初見。
観劇のきっかけは「真彩希帆さんの帝劇デビュー」が大きいけれど、「『レ・ミゼラブル』のヴィクトル・ユゴーが自身の最高傑作と評した小説」とのことで、楽しみにしていました。
予習なしで観たのでラストの展開は驚きと取り残された人間の悲しさに放心しました。が、今振り返ると愛に溢れた暖かい作品でした!
ネタバレあります。
お話についてーユゴーの世界が少しわかったー
ざっくり、グウィンプレン(浦井健治さん)は貴族の道化になるために口を裂かれた子、デア(真彩希帆さん)はグィンプレンが救った赤ん坊。その幼い2人を救って育てたウルシュス(山口祐一郎さん)のお話。
ヴィクトル・ユゴーさんの本は読んでおらず語るにはおこがましいのですが、感じたことはミュージカル「レ・ミゼラブル」と近いものがありました。
生まれながらにして貧乏か金持ちかが決まっている不公平な世界。でも人生の幸福は、金じゃなくて愛だ!
というメッセージを感じたかな?(文章力のなさw)
冒頭に告げられる「金持ちの楽園は貧乏人の地獄によって造られる」の言葉通り、道化の貧乏な世界と貴族の華やな世界の対比が辛かった。
またグィンプレンが貧乏のために議会で尽くそうとするも無力に終わるところも、あの時代の現実を突きつけられているようで切なかった。
無知でわかろうとしない貴族。人口の1%が国を牛耳っている不幸。ぅう。
逆に貧乏な道化師チームは、とっても暖かくて素敵。支え合って力強く生きていて絆が深い。
ウルシュスの大きな愛と、デアの純粋さ!
普段は元気印の真彩さんが、ガラス細工の女の子のようなんだからすごい〜。
そしてウルシュス(山口さん)の包容力。
ウルシュスの愛が深いだけに、最後にグィンプレンとデアが死に向かった時の、ウルシュスの背中が辛かった。。。
観客には二人が天国で幸せになったことがわかるけど、ウルシュスは見えないじゃない。
それでもウルシュスがジョシュアナ公爵よりは人間らしくて幸せに見えるのだから、物語として素敵に感じました。
ちなみに、疑問が残ったのはジョシュアナ公爵の付き人(?)フェドロ。
最後にジョシュアナに「あなたの裏切りを知っている」と言われていたけど、裏切りとは…?
グィンプレンを連れてきて恋を終わらせられたこと?
冒頭からフェドロは謎だったので(そのように思わせる演出)どんでん返しを期待していたのですが、謎なままに終わってしまった。石川禅さんなんだから、何かあるかと思うじゃない。
そしてもう一つモヤっと残ったところが。
グウィンプレンが、「ジョシュアナ侯爵は、自分の傷を含めて自分が好き。デアは自分の顔を知らなくて自分が好き」とゆうところで気持ちが揺れていたように思うのだけど、
あの気持ちの揺れはいつの間にか解消されていて、少し、自分の理解が追いつかなかったです。本を読めばわかるのかな〜!
全体的に、本を読んでいるようで楽しかったなぁ。お話がしっかりある、ってやはり素敵。
レミゼと笑う男を観て、ユゴーさんの生きた時代や世界観が少しわかった気がします。
役者さん-帝劇ってやっぱり素敵-
まずお目当の真彩希帆さんが、帝劇おなじみの錚々たる実力者様たちと違和感なく演技をされていることに感動。
思わずデアの幸せを願ってしまうほど純真な少女で素敵でした。
お歌のシーンが期待よりは少ない(というか短い?)&優しい歌が多かったので、またいつかモーツァルト!のコンスタンツェのような強いお歌も見てみたいな。圧倒的な歌唱力を帝劇で…。
グィンプレンの浦井健治さんは歌い上げが力強くて、こんなに帝劇の真ん中が似合うお方だったか!と。(偉そうだったらすみません、前よりもすごく引き込まれた)
少し前の王家の紋章ぶりでしたが、さらなる進化にびっくりした。
お人柄も、お役にぴったり。
ウルシュスの山口祐一郎さんはさすがで。
繊細なシーンで小さな声で歌われるのだけどセリフがはっきり聞こえるので感情移入がしやすくて、会場もすすり泣きがたくさん聞こえました。
デヴィット卿の吉野圭吾さんとフェドロの石川禅さんは、「あー帝劇きた〜」感。素敵だ〜
世界観のあるお二人を見ると宝塚以外の実力の世界もいいな、と思う。
ジョシアナ公爵の大塚千弘さんは初めて拝見しました。
気になっていたので嬉しいし、お役として貴族の孤独感が伝わってきて良かったです。ミステリアス。
真彩さんでも見てみたい…(笑)
アンサンブルでは、宇月颯さんや美麗さんもご活躍されていて。宇月さんのダンスのキレが帝劇サイズでした(語彙力)。
あと帝劇は、舞台装置に重厚感があって物語の世界に浸れるのも大好きです。
2階B席だったけど、満足度が高くて、やっぱり帝劇作品はいいなぁ。
がっつりとしっかりしたミュージカルを観ることができて、楽しかったです♡
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