【鑑賞感想】アリージャンスー濱田めぐみさん&海宝直人さんー

観劇の感想
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MACAPUです。WOWOW映像を貸していただきアリージャンスを鑑賞しました。

観る前は、恥ずかしいことに「戦時中の日系アメリカ人の姉弟の話」程度しか把握していなかったけど、鑑賞を通して衝撃的な歴史的事実を知ることになりました。大きく感情が動く舞台でした。

知り・考える舞台

第二次世界大戦中に、日系アメリカ人が敵国(日本)外国人扱いをされ強制収容所に収容されたお話

恥ずかしながら442連隊(日系アメリカ人だけで構成された陸軍部隊。第二次世界大戦中に激戦地に派遣)のことは詳しくなく、オバマさんが言及されたことで話題になっていたので、なんとなく知っている程度でした。

見た目が日本人というだけでアメリカへの忠誠を疑われた人々が、強制収容され、その先でどう行動するのか。示された選択肢の中で何を選ぶのか。アメリカのために入隊して命を捨てるのか、さらにひどい環境に行くことを我慢するのか。。人間同士のぶつかり合いでした。すごい。

軍に志願することでアメリカへの忠誠を示すサミー(海宝直人さん)アメリカに従わずに反対運動に出るフランキー(中河内雅貴さんが対照的で…お互いの正義が正反対

どちらが間違っているわけではないのに、絶対に分かり合えないし、サミーはフランキーを許せないというのが、舞台だからこそ苦しいくらいに両者に共感できた。(と言っても映像なんだけどw)

442連隊で悲惨な思いをしたサミーが、絶対に戦場に行かなかったフランキーやその妻となった姉(濱田めぐみさん)を許せるわけがない。(しかもサミーの想い人のハナは、フランキーをかばって亡くなっていたなんて怒りの頂点)

そこからの、ぶつかり合いがすごかった。

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濱めぐさんと海宝さんの想いのぶつかり合い

許せないサミーと、元のように家族で助け合って暮らしたいというケイが歌い合う場面は、もう「歌が上手い」とかのレベルではなくて、たまたま台詞に音程が付いています、ぐらいで。

感情がぶつかりまくっていて、歌ではなく怒鳴り合いのレベルに感じました。かっこよかったぁあ。圧巻の2人でした。美声なお歌で怒鳴り合える人々…これは生で観るべきだった…

あそこまで歌い上げて魅せられる濱田さんと海宝さんが改めて素晴らしいし、この歴史的に意味があるであろう舞台を務めるべくして選ばれたお二人だなぁ。

海宝さんは、個人的にラミンさんを思わせるような歌い上げが素敵だったし、濱田さんの歌い上げも迫力や覇気がすごかった。。テレビが壊れるかと思いました(笑)

Youtubeにお歌だけありました。

この舞台は、内容的に日本人も深く関わっているけど、舞台は「完全にアメリカ」だし、「アメリカしか知らない日系人」という世界なわけで、それを日本で育ってきた日本人で演るのはとても難しいんじゃないかな…それでも皆さんがアメリカ人に見えるんだからすごい。

赦し

舞台の最後は、年老いたサミーがケイが亡くなったことを聞き、ケイの気持ちを知り、時を経てケイを赦す、という展開。

兄弟や家族の愛や絆は、どんなことがあっても、完全に消えることはないんだなぁ、と暖かい気持ちになりました。

そして「戦争」という環境が人を狂わせてしまっていた(亀裂を作ってしまっていた)んだなぁ、と感じました。だからこそ時が経って平和な世界になってからようやく赦せたのかなぁ、と。

最後の種明かしとして、「遺言執行人として現れた女性はケイの娘だった」というのも、最後にサミーの心に愛が生まれた(戻ってきた)ように感じて、温まりました。

あ、2役(年老いたサミーとサミーの祖父)をされていた上條恒彦さん、凄い方。本当におじいさんが舞台の中でリアルに生きているみたいでした。存在しているだけで「家族」の空気が醸し出されていて。(ちょっとした発言のニュアンスとかが、すごく家族っぽさを感じて素敵…素人ながらに感動しました)

中河内さん&小南満佑子も、とってもお歌も演技も素敵でした!!

舞台全体のプロモーション動画↓

 

 

日本での上演に意味がありそう

キャストさんのコメントや舞台評論家の方のコメントを見るに、アメリカで上演&評価された舞台として「いつか日本に来る」と待っていた方が多かったのかな。

日系人の話ではあるけど日本人としても知っておくべき歴史だったと思うので、舞台を通して知ることができてよかったです。これがアメリカで上演されたというのも大きなことですよね。(ミス・サイゴンのような)

この舞台をきっかけに、442連隊のことを少し調べてみたところ、「連隊に従軍した約14,000人のうち、死傷率は314%であり、この数字は一人平均三回以上死ぬような大けがをしたということを示している」(wikipediaより)とのことで、読んだときは!?!?でした。激戦地での過酷な任務の状況に絶句してしまいました。。。

アメリカで上演されたことに大きな意味があっただろうし、その舞台が日本に来た、というのも大きな歴史の1つになりそう。

(三浦春馬さんが「アリージャンスが日本に来たときはサミーをやりたい」と言っていたみたい…イリュージョニストに続き、また海宝さんが務めているなんてすごい縁)

文章を読んで歴史を知るのと、渦中の人々の気持ちを一緒に感じて知るって全然違う

様々な登場人物のそれぞれの必死に生きていた世界を、一緒に覗くことが出来てよかったです。

改めて舞台の力ってすごい!!と思いました

生では観れなかったけど、渡してくれた友人に感謝。

コロナで多くの人に観てもらうのも難しい状況だっただろうけど、いつか再演されて多くの人に届きますように

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